ぼたむす日記

アラフィフおひとり様の仕事、介護、読書のこと

水原氏の一件に思う、人それぞれの幸せの形

大谷翔平選手の通訳兼マネージャーをしていた水原一平氏の違法賭博問題が発覚して1か月が経とうとしていますね。

 

私も最初、折角大谷選手のパートナーになれて、名声もお金も手に入れたのに、なんで信頼する大谷選手の口座からお金を盗んだのか、バカだなぁって思っていました。そう感じている方も多くいると思います。

 

通訳の技術力はとても高かったとの評判ですし、日本の宝である大谷選手の信頼を勝ち取り、彼が活躍できていたのも、水谷氏のサポートがあったからだとすると、仕事面ではとても優秀だったのだと思います。

 

名声もお金も手に入れて、なんでなんだー!って、大半の人が水原氏を理解できない、彼は狂っている、何があったんだ!って勝手に裏切られた感を抱いてしまいますよね。

 

でもふと、私自身それ以上に感じたのが、彼は自分の人生の目的を達成できたのではないか、と言うこと。彼の場合は「犯罪」であるから、許されることではありませんが、人それぞれの幸せの形は違うんだなぁ、という思いが沸き上がってきました。

 

彼の行動を理解できなかったのは、きっと自分の価値基準で物事を判断していたからからだと思います。たまにありますよね、常識と言われていることから、外れたことをする人のことをバカにしたり、責めたり。

 

確かに、罪を犯すということは、精神的に不安定なのでしょう。違法賭博は、許されることではありませんし、増して、大谷選手の口座から勝手にお金を使い込んでいたのは、窃盗罪にもなります。

 

でも水原氏にとっては、普通の人では到底できない、何百億を賭けるヒリヒリ感、高揚感を感じること、ことこそが「成功」だったのかもしれない。麻薬と同様、中毒症状として、理性が効かなかったのかもしれませんが。

 

一方で、思い出すのが、「3本指」で悪名を轟かせた宇野元首相。芸者の指3本を握り「愛人になってくれたらこれだけ出す」と迫り、辞任に追い込まれたアホなおっさん。芸者は300万だと思っていたが、月30万のお手当だと知り、こんなせこいおっさんに日本の国は任せられない!と激高し、週刊誌へ暴露したのです。

 

大抵の人が、何であんなに努力して日本のトップにのし上がったのに、たかだが女性一人を口説くために、人生を棒に振るのか!?と理解できませんよね。

 

一般に「成功」とは品行方正な意味で用いられます。だから勝手に水原氏も宇野元首相の人生の目的を「成功=お金や名声を得ることで人格者となる」と勝手に考えてしまう。

 

実際には、水原氏はきっと「成功=何百億のお金を賭けることで、自分しか感じられないエクスタシーを感じる」ということだったかもしれないし、宇野元首相なら「憧れの芸者を愛人にする高揚感」のことを成功や幸せと思ったのかもしれません。

 

全てを投げうってでも、勝ち取りたいものがある。それは聞き心地のいい大義名分ではなく、人からすれば「へ?何それ?」みたいなものだったり、執着だったり、人それぞれの「幸せの形」は違うんだなぁって思うようになりました。

 

だとすると、水原氏は案外「幸せ」なのかな。あまりに利己主義で、人を傷つけてでしか手に入らないものは、本当に幸せではない、と普通は思いますよね。でも水原氏にとってはきっと、大谷選手を傷つけてでも、皆の期待を裏切ってでも、手に入れることができたのだから、ある意味幸せなのかもしれない。

 

その代償は、すべてを失くすほどのことであっても。あれ、これどっかで聞いたことあるフレーズ。「薬やめますか?人間やめますか?」でしたっけ。

 

人それぞれの幸せの形があるんだなぁ、と考えさせられた出来事でした。