ぼたむす日記

アラフィフおひとり様の仕事、介護、読書のこと

【ご機嫌認知症お母さんNo.63】温かく小さな手

こんばんは!

今日も風の強い一日でしたね。

 

今日は週に1度の実家の日。時間通りに母は最寄りの駅で待っていてくれました。お財布の入ったバックをちゃんと持って、でも、カギは入っていませんでした。裏口から出てきたようです。

 

最近の母のお気に入りの隠し場所は、「ソファーの下」です。お財布やカギが交互に置かれています。

 

母に半日デーやヘルパーさんの様子を聞いても、「うん、楽しいわよ~」としか毎回返ってこず、空振り気味ですが、時々、特大ホームランを打つことがあります。

 

「半日デーの優しい介護士さんが髪を切ったのよ」と具体的なことを覚えていたのです。いつもボヤ~とした会話しかしていなかったので、「あれ、普通の会話してる?!」と嬉しくなりました(笑)

 

母はとても心配性で、私が夜遅くに東京に戻る時に、「あんなに暗い道歩いて、お母さん心配だわ。大丈夫なの?」と何十回も聞いてきます。

 

ぼたむすが現在住んでいるところは、駅から3分、人通りの多いところですが、母は完全に勘違いをしていて、ひどく暗い田舎に私が住んでいると思っています。

 

「お母さん、ここから駅の方がずーっと暗いし20分もかかるんだよ~」と言っても、「ここは明るいわよ!大丈夫。ぼたむすちゃんの家は暗くて、お母さん心配で心配で!」と、母は記憶がごっちゃになっているようです。

 

東京に戻る時、母とハイタッチをするのですが、母は手を軽く握ってきます。

石川啄木の短歌:たはむれに母を背負ひてそのあまり軽きに泣きて三歩あゆまず

毎回、この歌が浮かんできます。母の手が小さくなっていくような気がしています。

 

一方で「触れ合い」って、どう言ったらいいか分かりませんが、とても素敵なものだなぁ、と感じるようになってきました。

 

帰り際も、外に出てきて、私が見えなくなるまで手を振ってくれます。私としたら、母が玄関に戻る時に転んだら危ないな、と思って「出てこないで」と言うのですが、いつもこっそり出てきて手を振ってくれます。

 

最寄りの駅に着くと「無事着きました!」とメールを打ちます。母は「安心しました。おやすみなさい」と返事をくれます。

 

明日は兄が実家に戻り、美容院へお母さんを連れて行ってくれる予定です。

 

アンミカさんが言ってました。「幸せは探すものではなく、気がつくことやで」と。

最近のお気に入りの言葉です。