先日銀座に行く予定があったので、せっかくだからと前々から気になっていた喫茶店「樹の花」に行ってきました。ジョンとヨーコがフラッと立ち寄った喫茶店として有名な老舗。
平日のランチ終わり頃だったのですが、カウンター以外満席。ジョンとヨーコが座った席には女性が一人座っていました。カウンターに案内され、ジョンが頼んだ「珈琲とクッキーのセット」を注文。ランチのカレーを頼んでいる方、歌舞伎座からのお茶する大人のお姉さま方が店はにぎわっておりました。自然派ワインなども頼めるようで、ザ・喫茶店と言う感じです。
珈琲のカップも素敵で、クッキーもさっくりナッツが入った薄焼き。私好みの味わいと店員さんの笑顔が印象的でした。
しばらくすると、私の後から男性が入ってきて、待ち合わせだけど、奥のテーブル席に座りたい、と店内を物色。私の横のカウンターしか空いていなかったのですが、入り口近くの椅子に座り空くのを待つようです。
すると店員さんが、ジョンとヨーコのテーブルに座っていた一人の女性に「ごにょごにょ」と話をすると、その女性は私の隣のカウンターへ移動。
「え!?私たちの方が早く入ったのに、待っている男性客優先!?」
「私たちも主張すればよかったのかなぁ?」と、友人と悶々としていたら、カウンター越しに店員さんが「空きましたのでどうぞ。」と、ジョンとヨーコの席を指さしているではありませんか!
「私たち大きな声で文句言ってなかったよね?!」と友人と言いながら、嬉しくなって席を移動。順番を優先し、すごくスムーズな声がけのさりげなさに、このお店の「人気の理由」」を感じました。
後から入ってきた男性は待ち合わせの女性と共に、私たちが座っていたカウンターへ。しばらくすると、奥が空き、いつの間にかに席を移動していました。
私は欧米の外資で働いているので、なんでも主張しないと、「無いこと」にされてしまいますし、「誰かが見ている」なんてことも絶対にありません。ので、一瞬「あ、テーブル席に座りたい!」と主張しなかったがために、後のお客にいい席が行った」と瞬時に思ってしまいました。
しかし、日本のすごさはこういう「おもてなし」なのですよね。さりげなく、お客さまの心を読み、不快にしないサービスは日本ならではのとても素敵なものだと思いました。
外国人にこうしたおもてなしは「いえ、結構です。席移るのめんどくさい」との返事が来るのではないかと予想します。言ったこと、主張したことが全ての彼らにとって、「善かれ」と思う心遣いやおもてなしという「和の心」など、理解することは難しいのです。残念ながら私も幾度もそのような残念な経験をしています。
インバウンドが戻ってきて、こういう素敵なお店にも外国人が入ってくるのでしょうか。ということは、こうしたおもてなしも何となく日本のいいところとして理解され始めてる、ってことだと思いたいです。
銀座の真ん中で、ひっそりと佇む喫茶店。またぜひ行ってみたい、と思わせる素敵なお店でした。次回はカレーを頂きたいです!