ぼたむす日記

アラフィフおひとり様の仕事、介護、読書のこと

【読んだ本の紹介No.24】バカの壁

以前テレビで養老孟司さんのドキュメンタリーを見ました。その中で「人間の創ったものには全く興味が無い。興味があるのは虫だけ」と仰っていたのが、とても印象に残り、題名は知っていたけれど、読んだことのなかった「バカの壁」を購入してみました。

 

www.shinchosha.co.jp

 

出版されたのは2004年と20年近く前で、ずっと難しそうだなぁ、と思っていました。いざ読み始めると、確かにサッとは読めず、「こういうことか?」と考えながら読んだのですが、とても面白い本でした。

 

著者は、世の中に「正解」なんてなくて、1つの問題に解答はいくつ合ってもいい。複数の解答を認める社会の方が、ほとんどの人の意見が一致した社会よりも、住みよい社会ではないか、と。

 

本の中では、色々な生活場面や社会的出来事を例に挙げて、著者の考える解答を示しています。例えば、

 

・学習とは、頭だけでなくカラダを一緒に使ってこそ身になる

・人は毎日生まれ変わる

・個性とは「身体的な特徴」を指すから、誰もがみんな個性的なのだ、など。

 

人生で問題にぶつかった時、自分の意見が他の人と違っていても、「正解は一つではない」と知ることで、悩むこともないし、逆に楽に生きられるかもしれない。

 

実際のところ、今はもう「個性」ではなく「多様性」を強調する社会へ変化しているように、永久不滅の正解なんてそもそもないのです。

 

そう、皆違っていい、違って当たり前、生まれながらに既に皆個性的なのだから。解答もぞれぞれ合っていいのです。だって人生でぶつかる問題も人それぞれだから。

 

私自身はこの本を読むきっかけになった著者の「人間が創ったものには興味が無い」という言葉を折々に考えることがあります。

 

例えば、街中を歩いている時、この街の風景は誰かの頭の中で創られたものを形にしていて、その中で私は生かされているんだ、と。

 

つまり、私が生きているのは知らない過去の誰かの頭の中で描いた世界なのだ、とちょっと不思議な気持ちになります。

 

人間が創った街で生きていると、人はストレスを感じ、疲れ果て、自然の中に身を置きたくなるのは、なんだか合点がいった感じがしました。

 

この本、タイトルが強烈過ぎて、多くの人が惹かれて購入したと思いますが、私は正直「バカの壁」という意味がよく分かりません(笑)

 

でも本のタイトルってブログのタイトル同様、一番時間をかけて考えるべきところだ!と言うことはなんとなく分かりました☺