芸人さんはトークだけでなく、文章もとてもうまいですよね。
大久保佳代子さんは一般の会社で働いていた経験もあるので、勝手にとても親しみがもてる方だと思っていました。どのような文章を書くのかにも興味があったのと、タイトルに惹かれて、発売されるとすぐに購入してみました。
私も実は一本バナナは食べ切れなくて・・・
本のタイトルの真の意味は分かりませんが、「食」にまつわる日常の小話を1話4ページ程にまとめたエッセイ集。ファッション雑誌「Marisol」で8年間連載していたエッセイを時系列ではなく、テーマごとに再度まとめ直したそうです。
・家族
・恋愛
・女友達
・仕事
・ひとり飯
誰もが経験がありそうな幼い日の家族の思い出の味「お母さんのおにぎり」、失恋は最適なダイエット、女友達との韓国食べ歩き旅行、芸人として売れ出した頃、六本木で連れて行ってもらった東京のステーキ、公園のベンチで楽しむ一人酒等など、笑えるけど、どこか切なく、共感できる内容です。
さらっと読めて、後味がいい意味で「無臭」なので、ちょっとした気分転換にお勧めです。嫌なことがあったり、落ち込んだり、難しいことで頭がこんがらがってしまっている時に、こういうエッセイ集を1冊持っているといいかも、と思える本です。
説教臭いことはなにもなく、淡々と面白おかしく、簡潔に1話完結だから気負う必要もないのが嬉しい。「そうそう!わかる!わかる!」と頷きたくなる。通勤電車の中で、ランチ後のちょっとした休憩にお勧めです。