ぼたむす日記

アラフィフおひとり様の仕事、介護、読書のこと

振り返れば②・・・気づきにくい母の老い。

昨日の続きです。

 

翌朝目を覚まし、お手洗いに行き、出てくると、母もお手洗いを使いたい様子。

「ごめん、ごめん、どうぞ」と言って、私はベットの方へ。母は気を使いすぎるところがあるので、お手洗いの音が気になるかなぁと、できるだけ離れて、テレビの音を大きくしていました。

 

ガチャン、と戸が閉まる音がしたので、あ、お手洗いに入ったかなぁ、と思ってゴロゴロしていたら、10分経っても、20分経っても出てこない、どうしたんだろう、とお手洗いに行ってみると、戸がかすかに開いている。あれ、と思って「お母さん、いる?」と声をかけても、返事がない。ん???戸を開くと、誰もいない・・・

 

あ、部屋の外のお手洗いを使いに出て行ったんだ!と思い、慌てて部屋の外へ。でも泊まっているのは、大きな外資系のホテル。日本の昔ながらの旅館なら、各階にお手洗いが合ったりするけど、ホテルにはそんなのない。周りを見ても誰もいない。しかも、母は部屋の使い捨てスリッパを履いて出て行ってしまった。

 

急いで、同じ階をぐるぐる回る。けど誰もいない。1階のロビーに行って、「155センチくらいの、黒のズボンを履いた、髪型はこうこう感じの60代の女性がここを通らなかったですか?」と聞くと、「いえ、見かけませんでした」と。

 

入口に居たお掃除をしていたスタッフの方にも聞いたけど、「見かけなかった」と。

 

やばい、部屋のスリッパを履いたまま、手ぶらでどこかへ行ってしまった。携帯もバックも持っていない・・・。焦って、また部屋に戻ってみるが、誰もいない。

 

あー、部屋の番号も覚えていなかったし、ましてやホテルの名前も覚えていなかった母・・・どうしよう、どうしよう。

 

またロビーに降りて、「見かけたら、連絡ください」とお願いし、ホテル内を探し回るけど、見つからず。

 

あー、このまま生き別れかも・・・と半泣きになって、兄に電話するも出ず。メールするも連絡なく、誰ともつながらない!!!

 

気持ちばかり焦り、何度も部屋の外と中を行き来して、30分くらいたった頃に、ドアをノックする音が。見つかったのかな!?と急いで開けると、そこには部屋のスリッパを履いた母が!!!

 

「どこ行ってたの!!!」と大泣きしながら聞いたら、「外に出ちゃって、駅の方まで行っちゃったの。気が付いたら、どこだかわからなくて、どこかの会社の守衛さんに『このホテルまで帰りたい』って言ったら、地図を書いて教えてくれたの」と。

 

「ホテルの名前も、部屋の番号も覚えてなかったよね?」と聞くと、「あれ、どうしてだろう、覚えてたよ」と。

 

「なんで外出て行ったの?」と聞いても、「よくわからない、あははは」と明るい母。ぼたむすは、しゃくりあげながら大泣き。その様子をみて不思議そうな様子の母。

 

やっと兄から連絡が・・・間の悪い兄よ。

 

これがあまりにもショックな出来事となり、東京に戻って、兄に相談。兄はあまり深刻に捉えていないのが手に取るようにわかる。こういうのは、実際に目の前で経験してみないと実感がわかないのかも。

 

とりあえず、物忘れ外来に行ってみよう、と思い、近所の病院を探してみた。ここから、ぼたむすの介護の勉強が始まりました。全て初めてのことだらけ。インターネットや本を読み漁り、母の症状が何なのか、70歳目前の母がまさか認知症に!?と不安が込み上げるばかり。ぼたむす自身も情緒不安定気味になったり・・・。

 

自分のことだけ考えて生活をしてきたぼたむすは、一気に現実を突きつけられたのです。母は一人暮らしが続けられるのか、いやいや、母は大丈夫だ、兄はどう思っているんだろう?いやいや兄は頼りにならない、などなど、一人勝手に悶々としていました。

 

そうこうしているうちに、やっと見つけた病院は、1週間の内たった半日しか開いていない。しかも予約ができず、みんな2時間も前から並んで待つしかない、とのこと。

 

母は以前椅子から落ちて頭を打ったのがいけなかったのかも、と言っていたので、MRIを撮れるところはそこしかなく、母をどう説得して連れていくか、が次の難題になるのでした。続きまーす。