本屋に入ってまず目に飛び込んできたのが、稲盛和夫の「考え方」。棚の中央にどーんと置かれ、帯に書かれた言葉「どんな境遇にあっても、ひたむきに、人間を磨く」が目に飛び込んできた。
稲盛先生!とすがるように、本を手に取りページをめくった。目次の第六章に「挫折にへこたれないこと。災難は天が与える素晴らしい贈り物」とあった。災難が贈り物!?そんなわけないでしょ・・・、と思いながら急いで読んでみた。
第六章の扉にはこうあった。
忍耐
自分が過ちを犯したと気づいたのなら、
いたずらに悩まず、今度は失敗しないようにと
改めて新しい思いを胸に抱き、
新しい行動に移っていくことが大切です。
稲盛先生は、些細なミスの上げ足を取られ、毎日苦しい思いで耐え切れず、僧侶に相談に行った。すると僧侶はこう言ったそう。
・・・それは過去にあなたが積んできた業が、今結果となって出てきたものです。たしかに今は災難に遭われ、大変かもしれません。しかし、あなたがつくった業が結果となって出て来たということは、その業が消えたことになります。命がなくなるようなことであれば困りますが、・・・むしろお祝いすべきです。
この一言で稲盛先生は救われたと。ぼたむすにもズキューンと響きました。稲盛先生クラスの人も同じような!?境遇で苦しんでいたのだと知って、なんだかホッとしたのだ。
そっか、ぼたむすの業が出て、消えたのだ。全部身から出た錆だったのだ。誰が悪いわけでもなく、自分に全ての原因があったのだ、とハッとさせられた。
クビ宣告を受けたのも、自分の今までの行動が黒幕デーブを傷付けていた結果なのかもしれない。弁護士を付ければ楽勝と甘く考え、ダウンロードはダメだということに気がつかなかったのかもしれない。そう、全部自分原因論だ。
ポンさんがやって来た。「大丈夫!?・・・ぢゃないね・・・」と半笑いで、ポケットティッシュを渡してきた。
そう、ぼたむすは既に泣いていた(笑) 本を汚さないように、ティッシュで目頭を押さえ、急いで本を購入して、ポンさんと共に居酒屋に向かった。