ぼたむす日記

アラフィフおひとり様の仕事、介護、読書のこと

振り返れば③・・・気づきにくい母の老い。

ちょうど3年前の3月。旅行から帰ってきて、色々病院をネットで調べてみた。母のMRIを撮るため、市の大きな病院の脳神経外科に電話をすると、「4月から先生が変わるので、5月以降にならないと、受付できません。物忘れ、ということでしたら、市の病院では保険がきかないので5万くらいかかります。物忘れ外来に行った方が保険がきくので、いいですよ」と、病院の方に言われた。大きな病院だと、患者の都合より先生の都合なんですよね・・・。

 

MRIを撮りたい、となると、健康診断と一緒で、保険適用でなくなるそうです。ので、「物忘れがひどいので、診断してほしい」と、MRIの設備がある物忘れ外来に行くと、保険が適用する、と。払った金額は、尿検査や血液検査などを含めて9,000円くらいだったように思う。母の場合は当時2割負担だったので、市の病院の方が仰る通り4-5万くらいかかるんですよね。

 

そのすすめられた物忘れ外来、前回もお話ししましたが、木曜日の午前中だけ、しかも予約不可。電話で問い合わせすると「8時半から診察ですが、7時45分に扉を開けますので、番号札を取ってお待ちください」とのこと。

 

母には「前に頭を打ったって言ってたから、脳の検査ちょっとしてみようか?」とだけいい、その前の晩に実家に泊まり込み、朝早くに出かけました。病院は3つ隣の駅近くにあり、扉があく7時40分頃に着くと、すでにすごい数の人が並んでました。ざっと20番目!!!とほほ・・・という感じで、近くには何もないため、病院の外に置いてある椅子に座って待つしかありません。その椅子も患者さん優先ですので、私は立って待つ羽目に。

 

並んでいる方は、私のように子供に付き添われてきている方が大半でした。でも、やっぱりどう見ても母が一番若く、なんだか場違いなところに連れて来てしまったかなぁ、と申し訳なく思ったり。

 

結局順番が回ってきたのは、意外にも早く9時半過ぎ。まずはMRIを撮る。10分くらいで終わり、その後の先生の診断までが長かった。やっと11時半過ぎに呼ばれ、診察室に。大学病院から週に1度半日出向されている女医さんでした。

 

先生はまず「長谷川式」で母に検査を。案の定母は、野菜の名前は1つしか言えず、日にちもわからず、計算だけはできていました。その後、私の話を一通り聞いてくれて。簡易的なMRIの結果を見ながら、「海馬に少し委縮が見られますが、老いですから、そんなに心配することは今はないと思いますよ」とのこと。「血液検査の結果が2週間後にはでますので、また来ていただけますか」とだけ言われ、なんだか拍子抜けしてしまいました。野菜の名前1つしか言えなかったけど!?日にちもわからなかったけど!?

なんとなく、腑に落ちない気持ち、でもホッとしている自分もいる。母に「なんでもないって言ってたね、よかったね」というと、安どの表情でやっと緊張から解けたようでした。

 

2週間後に検査の結果を聞きに、また7時40分頃向かうと、やっぱり長蛇の列。今回は13番目。11時に順番が回ってきて、先生から尿検査、血液検査の結果が。案の定コレステロール値が高いだけで、他は問題なし。先生に「認知症を発症させない薬みたいのはあるんですか?」と聞いたら、「今のところ飲む必要はないかな。飲むならコレステロールを抑える薬ですが、どうしますか?」と。

 

あぁ・・なんの策もないのか・・・。先生は「ゆったりとした気持ちで過ごしましょう円」とだけ母に言い、母も安心したようで、帰りにラーメンを食べて帰りました。

 

先生は、また半年、一年後ぐらいに来てください、とだけ。それから、脳トレや日記を書かせたり、ウォーキングをさせたり、と、遠くに住む母に強要していくぼたむすの始まりでした・・・続きます。