ぼたむす日記

アラフィフ仕事、介護、副業、読書のこと

【読んだ本の紹介No.2】サザエさんのうちあけ話

先日テレビで放送された「長谷川町子のエッセイ『旅歩き』」のアニメがとても面白かったので、早速本を取り寄せてみました。

publications.asahi.com

調べていて、「旅歩き」とは別の「サザエさんのうちあけ話・似たもの一家」を注文していたことに気が付きました(笑)今急いで、旅歩きの方を注文しましたが、この話は後日に。

うちあけ話は、とても40年以上前(1978年~1979年)に書かれたものだと思えないくらい、時代の差異をあまり感じることなく、一気に読めます。文庫本だったので、字が小さく少し苦労しましたが、長谷川町子の生い立ちや趣味、家族の笑い話など、漫画混じりで書かれているので、すらすら読めます。

☆☆☆

私自身がこの本をお勧めしたい方は

  1. 40年~80年前の我々日本人の生活へのノスタルジー!?新鮮さ!?に胸を打たれたい
  2. 忙しい日常から離れ、心を休めたい
  3. たくましいく、しなやかな女性たちに力をもらいたい

 と思っている方に特におススメです。

☆☆☆

  1. ノスタルジー!?新鮮さが胸を打つ

ノスタルジーとは・・・

「望郷(ぼうきょう)」「郷愁(きょうしゅう)」という意味で、 過ぎ去った時代を懐かしむ心のこと

といっても、2つの意味でのノスタルジーがあるかと思います。

  1. 昭和初期~中期を知っている方にとっては、「懐かしく昔を回顧」する意味でのノスタルジー
  2. 若い世代にとっては、「形だけは再現できても、もう手に入らない何か」に気づいた切なさを意味するノスタルジー

時代背景は昭和初期から昭和50年代にかけての、長谷川町子の自叙伝となっています。エッセイ風に、時々の出来事が面白おかしく悲壮感なく軽やかに描かれています。

戦争時代のお転婆な子供時代、東京での弟子入り、疎開と共に福岡に戻りサラリーマンに、そして戦後東京に再び上京し人気漫画家へ。

戦後福岡から東京への電車の所要時間は31時間、満員ぎゅうぎゅうの車内は、窓から乗って、窓から降りる。6回往復したので、おにぎりを114個も作ったこと等々、大変な時代や厳しい出来事など、ほっこりした挿絵が、ノスタルジーを醸し出しています。

私自身は後者のノスタルジー形は再現できても、もう手に入らないなにか」を切なく思うとともに、この50年間で世の中はこんなにもグローバル化し、ライフスタイルが激変したんだ!ということ、そして、気が付いたら自分の祖先に想いをはせていました。たった半世紀の間に!こんなに状況が一変するんだ!この先50年同じように変化するなら、全く想像もつかない未来が待っているのかなぁ?と。

今の時代探そうと思っても、こうしたテイストのエッセイ集は作れないだろうなぁ。そう思うとなおさらノスタルジーに胸を打たれます。

 

 2.忙しい日常から離れ、心を休めたい

最初から最後までニヤニヤさせる笑いがちりばめられていますが、全部事実で嫌味がないから面白い。例えば、長谷川町子のお姉さんは恋愛に無頓着な方で、文通もお母さんがせっせと代筆し、お姉さんと恋人との愛をはぐくんでいった話や、忙しい時こそやってしまう失敗談など、日常のあるあるをほっこり笑いに変えているので、読み手も「急がなくてもいいなぁ、ゆっくりいきましょ」とふーっと肩の力を思わず抜いてしまう。時間に追われ、責任に追われている方々に、心の英気になるエッセイかと。

 

3.たくましく、しなやかな女性たちに力をもらいたい

長谷川町子は14歳でお父さんを亡くし、お母さん、お姉さん、妹と共に戦後たくましく生き抜き、漫画家として大成。「たくましい」と書くと骨太な印象だけど、全く逆で、「しなやかなたくましさ」を長谷川町子家族に感じる。ガツガツ!するわけではなく、その時々に肩ひじ張らず、好きなことをしていったら、いつの間にかに大漫画家に。女性だから、とか、女らしく、とかそんなことは全くなく、「自分らしさ」を生き抜いた長谷川町子と言う一個人の自叙伝。「いつの時代も、自分らしく生き抜くことができる」と胸を突かれるはず。この女家族、それぞれのキャラが立っていて面白い。特にお母さんは、今の時代に生きていたら、大きな偉業を成し遂げたに違いない!とにかく前向きで明るい女家族に勇気や力をもらえる作品だと思う。

 

取り立てて大きな出来事があるわけではなく、淡々とした語り口だけれども、

しかし!!!

長谷川町子の絵が、泣かせたり、笑わせたりしながら、どんどん感情を揺さぶってくる。戦前、中、後、を通して、大きく変化した時代の中で、その中でもどんな状況もユーモアに変えてしまう、漫画家としてだけでなく、エッセイストとしての面白さを感じさせる上質なエッセイ集である。

こういう作品は、もう今の時代絶対に現れないだろうなぁ、と思うと、ぜひぜひ多くの方に今こそ読んでもらいたい本だと感じます。

以上、第二回ぼたむす書評でした♪